時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)

     健忘症 《ケンボーショー》 健忘症

       『時の過ぎ行く侭に』    
      


【時】に乗り遅れた男
 那間宗博士は、のんびり屋で …!時の経つのも忘れて、
考古学研究の為に、ある古墳の中に入って 十五年目。 

時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)

 昔の人との 親密な関係を、益々強く持って
時間の隔たりさえも忘れて、語り合う事が出来るのでした。 

時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)


 ある日、那間宗博士が古墳を出ようとすると
一人の青年が立っていて、語りかけて来ました。

『貴方は、現在の【時間】に 乗り遅れてしまったようですね?
でも、かえって 其の事が幸せなのかも知れません。

 人類が、進化だ …!・発展だ …!・進歩だ …! と
求め続けた結果!、お陰で社会の変貌の巡るましさや 激しさ!
時代の移り変わりの速さは、実に驚くほどのことでした。

 此の発展は 《一日 = 24時間》の ルールを無視して
猛スピード で 突っ走ってしまったのです。

 終に時間は【オーバヒート】して、狂ってしまいました、
お陰で時間は、矢鱈と早く進むようになりました。

昔の時間が 今では【ひと昔前】が【ひと月】になったのです、
つまり、現在の時間単位は【1日】 は【昔の=1年】です。

 貴方には信じられないでしょうが、
実は 私は二十四日前に産まれたばかりなのです。』

二十四日前に産まれたと言う青年は、すっかり大人に成長して
『結婚するから …!』と、その場を去りました。

時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)


  ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・
                          
  ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・


 二ヵ月間も、古墳調査に追われて 青年の事をすっかり
忘れかけていましたが …!

 暫くすると、どこか見覚えのある老人が … 思い出しました!
あの青年が、腰の曲がった杖を附いた白髪頭の
お爺さんになって帰って来て、懐かしそうに話しました。

 ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ 


 『私の孫が、結婚式を挙げるので、
     すぐに お暇しなければ …!』
と、言って
           急いで、すぐに行ってしまいました。

時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)
時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)


  一週間経っても 音沙汰も無いし、彼の家を訪ねると …!

「 ア~ラ その お爺さんなら 三年前に亡くなられたの~ょ!」
       と、お隣の おばさんが、教えてくれました。

時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)


           今回も 【 時 】の話でした。

    音符オレンジ 【時の過ぎ行く侭に】 音符オレンジ  歌:沢田研二
               ⁂ 《終わります》です。 ⁂
時の過ぎ行く侭に(ケンボーショー)

      
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