古壺(トックイ)

     健忘症 《ケンボーショー》 健忘症
          古壺 (トックイ)



 森の奥深くを探索している時です、
ハムスターの額程の チョットとした広場を見つけました。

広場は草むらになっていてトックイ(素焼壺)が2個あります。

 屈んで中を覗いて観ると、片方のトックイは何も無く
もう一方のトックイは【魑魅魍魎】として、得体の知れない
何かが居たのです。

 目・耳を凝らして見ると、なんとトックイの中は
別世界だったのです、中から騒喚き声が聞こえてきます。

古壺(トックイ)

 微かに聞こえる 其の騒嘆き声は、人間の声だったのです、
文化程度は高く、特に エレキテル や電気器具 … 機械の力を
縦横に駆使した生活様式は、我々と同じです。

 やはり、空気や水の汚染は酷く、地下資源の乱獲は著しく
自然環境の破壊に因る異常気象だと判断した私は、
トックイの中に、出来るだけ小声で囁いた!『トックイの中から出ておいで 君達は ………!』 

古壺(トックイ)

 何しろ 50億年もの歴史をもち、アメーバーや アンボナイト
貝の時代 … 爬虫類 … 哺乳類 … 人類と生物の進化と伴に、
外の世界と同じで …!
 現在の我々人類と身体附きは同じで、平均寿命は 70歳で
これまた 同じ人生を持っています。

 ただ 我々の世界では 1秒が トックイの中の1年に当たり
つまり 平均で 70秒しか生きられない事になるのです。

 彼らは、私の言う時間単位も信じそうにも無いが … ?

                           
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・  

一方、トックイ内部の人間達は …!
『地を揺るがす原因不明の大音響が 天にも轟きまして、
科学者は、{ 異常な自然現象だ }と騒いでいましたが
 私には …
【トックイの中から出ておいで …!、
     君達は 70秒しか生きられないのだから …!】

と、聞こえたんですが?、気のせいですかね!』 
 

古壺(トックイ)

      「信じられない、世の中には摩訶不思議な事もあるのですね!」
古壺(トックイ)



    叉・亦・復の【時】の話でした。
古壺(トックイ)


 { 特別付録 } 『引っ越し祝い』
      「新居に移ったのは良いけれども?」

古壺(トックイ)

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